鋼材からナイフを作る
これは2006年3月にmixiで書いたものなのですが、せっかくの自作・クラフトネタなのでリニューアルして書き直したいと思います。
材料の用意
以前からナイフを作ってみたいと思い、ホームセンターで刃物用鋼材を買ってきました。
材料はCRMO-7(クロモセブン)という錆びにくく加工しやすいもので、サイズは3m×25mm×250mmで値段は1400円くらいでした。
デザインと作業
まずは大まかなデザインを考えて、マジックで鋼材に書いていきました。 今回は初めての作製なのでグリップ部分は鋼材をそのまま生かしたデザインにしてみました。
家には電動ノコギリがありますので、デザインに沿って切っていきます。
細かい部分はグラインダーとベルトサンダーを使い削っていきます。 ハンドル部分はデザイン性と軽量化を考えて穴をあけ、ナイフのバランスがハンドル部分ではなく、ナイフ中央近くになるようにしてみました。
この段階では刃をつけず、0.3mmほどの薄さにしておきます。あまり薄くしてしまうと焼き入れの際に刃に歪みや割れを生じさせてしまったり、逆に厚過ぎる場合は焼き入れ後に刃付け(刃を研いで作ること)が難しくなります。
ざっくりとデザイン通りには削れたのだけれど、せっかくのオリジナルナイフを作るのだから自分の手にピッタリくるようにと思い、削っては握り、削っては持ち直しを繰り返していきました。
いかなる状況でも持ちやすいようにと順手(普通に持った時)と逆手(ナイフを持った時に小指側から刃が出る持ち方)で持ってみて様子を見ます。
形が決まったら全体を耐水ペーパーで磨いて表面の傷や表面加工をして焼きいれ作業を行います。
初めてのナイフ作りで気が早まってしまい表面の傷も残ったまま作業を進めてしまいましたが、これによって完成後の「見た目」が左右されるので納得いくまで表面処理をしておきましょう。
焼き入れ後は表面の硬度も上がりますのでちょっとした傷を消すのも難しくなります。
焼き入れ作業
うちには酸素とアセチレンガスを使うガス溶接の設備があるのでそれで焼き入れを行いました。 ガスバーナーで刃物全体を炙るも、刃をやっているとグリップ部分は温度が下がってきてしまい、その逆もしかり。
ガスバーナーで全体の焼き入れを行うのは難しいようなので、ブレード部分のみを真っ赤になるまで熱し水の中にいれて急冷します。
焼きが入っているか確認するために、ヤスリで軽く削ってみます。 普通にガリガリと削れてしまう場合は焼き入れができていないのでやり直しです。
ヤスリが引っ掛からずチョリチョリと滑ってしまうような感じであれば焼きが入っています。 焼きをいれただけの状態では「硬くてもろい」状態なので、ナイフとしては適さないです。
簡単に言えば「刃が欠けやすい」ので、今度は「焼戻し」という作業をして「刃に粘り強さを出す」ようにします。
焼戻し作業
先ほどと同じくガスバーナーでブレード部分を熱します。
さっきは「真っ赤っか」になるくらいまで熱しましたが、今度は「あずき色」くらいまで熱しその後はじょじょに冷めるようにします。実際には「灰」の中に入れてゆっくり冷ましていくのですが、この時はそのまま何もしないという方法で冷ましていきました。
金属の種類によっては何もしなくてもそれだけで「焼き入れ」されてしまう場合もあり、自分がやったこの作業はちゃんと「焼戻し」ができていない可能性もあります。
刃付け作業
最後にオイルストーンを使って「刃付け」をしていきます。
残念なことに、表と裏の刃の厚さが違いなかなか刃が付けられず大変でした。 これはベルトサンダーでの作業で表と裏が均等に削れなかったのが原因です。
とりあえず初めてのナイフ作りで「ナイフっぽいもの」ができたのでこの時は嬉しかったです。
鞘作りで初めてのレザークラフト
その後、シース(ナイフ用の鞘)も作ってみようと思ってホームセンターで革の切れ端を買ってきてナイフ本を見ながらそれっぽいものを作ってみました。
革の切れ端でナイフを挟み込み、上からペンでなぞって大まかな形を作ります。
あとはその線に沿って革を切り、糸を通す穴をあけて縫っていきます。
シースの性能としてはスッポリとガタ無く入り、逆向きにしてもナイフが抜け落ちないのが理想です。
たまたま運が良かったのか、スッと差し込め、逆にしても抜けない理想のシースが出来上がりました♪
写真を見てもらうとわかりますが、縫い目がガタガタです。まぁ初めてのレザークラフトでもあったのでその難しさを体感しました。
これはもう友人にあげてしまいましたが、初めてのナイフ&シース作りの原点でもあります☆