ベルト状の板を折り曲げる「プレートベンダー」をDIY作成。

以前友人から頼まれて製作しました。

これはベルト状の金属の板を曲げるための機械です。

「プレートベンダー」というものでクランプ部分がV字になっていて、そこに板を挟みこみネジを締め上げる事で最大90度まで折り曲げ加工ができます。

バッグのフレーム部分を作るために必要ということで、「こういうのがあるみたいなんだけど作れないかな?」と相談されました。

構造的には簡単そうだったので「できるよ!」

なんて軽く返事をしてしまったんだけど、思いのほか苦労した。(笑)

構造自体は簡単なので、材料と機械があれば作れると思います。

まずは材料を用意しましょう。

ベースとなるクランプはこちらを用意しました。

鍛造クランプ75mm [GREATTOOL/グレートツール    鍛造クランプ75mm GTH-75 ]

ここに取り付ける金属ブロックを鋼材屋さんで購入します。

V字の溝を彫って焼き入れ加工をするので、焼きの入る材料を探してきました。

20×20の角材です。100mm購入して半分に切ってもらいました。

フライス盤でV字の溝を彫っていきます。

うちのフライス盤はけっこうガタがきてるので、丁寧に慎重に作業を進めます。

溝が切れたら合わせてみて、しっかり噛み合うか確認します。

クランプの方にはチャックに噛ませられるよう鉄板を溶接しておきました。

溝を切ったら焼き入れをします。

ガスバーナーで真っ赤に熱し、水に突っ込み急冷します。

「溝部分」と「押し込む角の部分」だけ焼きが入ればいいので、そこ重点的に熱します。

クランプに溝を切ってない角材を溶接します。

溝を切った側は棒を溶接し、棒がスライドできるガイド部分をクランプに溶接します。

アルミ3mmの板を曲げてみました。

目一杯締め込めば90°で曲がり、5mm間隔くらいで緩やかに曲げていくことでカーブ状に曲げる事ができます。

アルミ板であれば素手で締め込みが可能です。

この上の写真では3mmの鉄板を曲げています。

素手でもできなくは無いですが、締め込みにはかなり力を使うのでスパナやメガネレンチがあると作業しやすいです。

V字部分には焼き入れしてあるので、削れたり山がつぶれる心配も無く作業できます。 ここに写真を載せてはいませんが、今はスプリングを取り付けして、緩めた時に自動で開くように作り直しました。

平行に曲げていくには馴れが必要で、そのためのガイドを取り付ければ「誰でも手軽に鉄板を曲げられる機械」になりそうです。