「できること」「できないこと」の葛藤

こんばんは、ヤマナカ(@miapom)です。

今現在、あるアウトドア用品を「整備するための工具」を作ってほしいというご依頼をいただき、その構造を調べつつ見積もりをしています。

 

写真を見た感じでは「作れそう」という思いもあったものの、現物を手にしてみると「これと同じように作るにはうちの設備では難しい」という問題が出てきました。それが1個、2個であれば今ある設備を駆使しつつ作る事は可能かもしれませんが、ある程度まとまった数になると専用の工具が必要になりますし、膨大な時間と費用がかかります。

 

例えば「整備するための工具」として、同じ機構・機能を持たせたものをまとまった数作る事はできると思います。しかしその工具自体が「当時のものと同じような作り」のものが欲しいとなると、そこは趣味の領域でありマニアックな部分を持ち合わせているのでどうしても手間が増えてしまいます。

 

僕自身、その「マニアック」な部分の気持ちもわかるので「当時と同じようなものが欲しい」という欲求もよくわかります。コスト的にはもっと安く、簡単に「同じような機能」を持ったものは作れるけど「それが欲しいわけではない。当時のアレと同じようなものが欲しいんだ」っていうあの感覚。

 

そんな気持ちを持ちつつ、父親に相談をしてみると「同じ機能であるなら、同じ形である必要はない。時間やコストだけかかるだけだ」と言われます。確かに作り手から見ると「同じ機能を持つなら、より簡単に作れた方がいい」という気持ちもよく分かります。しかし自分が使う側のユーザーであるなら「多少値段が高くても、アレと同じものが欲しい」という感覚も分かります。

 

ただ現実問題として大量生産をする場合は「うちの設備ではどうにもならない」という事実があるので、忠実に数個作るのか、設計変更をして大量に作るのか・・・・難しいところでもあります。

 

こればかりは自分一人でどうにかなる問題ではなく、依頼主様が「こうしてほしい」というものがあるのでその辺を話し合っていく必要があります。お互いが「これがいいね!」というのを見つけていきたいです☆