その「不良品」は誰のせい?気をつけるところ、反省すべきポイント。

不良はどうして発生したのか

僕は機械部品を溶接で作る会社で働いています。基本は管理業務ですがここ最近は溶接ロボットを使った現場の業務(作業)をしています。

 

先週作った部品に関して親会社の方から不良品があったとの連絡。製造番号を確認したところ自分が担当した製品でした。150個作って不良品が1個。

 

2個の部品を組み合わせて1個にする単純なものなのですが、部品に対して穴の角度がズレているようなのです。部品は治具というものにクランプで固定して溶接がされます。ちゃんとクランプがされていれば角度ズレなど起こらないのですが、これがズレているということは決められた作業(クランプでの固定)ができていなかったことになります。

 

確かに単純作業であるので数作っていると途中でクランプ忘れに気づいたりして機械を止めるようなこともありますが、一番最初にするクランプなので忘れるというのは起こりにくい。

 

僕は以前の会社で「毎回動きが違うと部品忘れなどを起こすから、自分のルールでいいから決まった動作の流れで仕事をするといいよ」と教えられました。

 

 

これは簡単にいうと、ひとつひとつの動きを毎回同じにするということ。

 

  1. 右手にA部品取る。
  2. 左手にB部品を取る。
  3. Aを置いたらクランプ。
  4. Bを置いたらクランプ。
  5. 溶接開始

 

以上のように、毎回同じ動きをすることで部品忘れや作業忘れが起こらない(起こりにくい)ようにします。これを意識しないで右手でB部品をとってみたり、AとBを置いてから同時にクランプしたりと毎回バラバラな動きをすると部品忘れやクランプ忘れがあった時に気づきにくくなります。

 

だからこそ「なんでこんな不良が出たのだろう」と不思議でした。

そこで仕事メモを確認したところ、その日はその作業途中で別のロボットに移動していることがわかりました。

 

つまり途中で作業者が代わっているんですね。

ごく短い時間ですがその時に入ってくれたのが派遣社員さん。その仕事は初めてだったらしく一応は別の人に教わりながら数個だけ作ってました。

 

今日聞いた話では「2個作った」と言ってましたが、そこが怪しいなぁと思いつつも自分と派遣さんの二人が作業に入ったということで実際のところは誰が不良を出してしまったかはわかりません。

 

 

この問題点はひとつ

 

「作業途中で別の作業者に交代したこと」です。

 

人間なので絶対にミスをしないわけではありませんが、最初から最後までやり通すことでそこには「責任」が生じます。今回ひとつの部品に対して自分と自分以外の作業者が関わっていることで責任の所在がはっきりしなくなりました。

 

僕自身、こんなミスは絶対にしないぞ・・・と思いつつもやっている可能性はあります。派遣さんにしても2個しか作っていないのにそのうちの1個が不良だとは考えにくいと思うだろうし、お互いがお互いを「きっとあの人が出したんだな」と考えてしまいます。

 

これは以前の会社でもありましたが、「責任があやふやになるからこそ、自分に与えられた仕事は最後までやりきろう」という大切なことです。

 

ただ残念なことに、今いる現場では作業レベルによって人が取っ替え引っ替え状態のため僕は言われるがままに移動するしかありません。僕自身が「これは最後までやらせてください」と言えなかったことが今回の一番の反省ポイントです。

 

 

自分が最後までやっていれば不良を出していなかったかもしれない。もし不良が出たとしても、100%自分の責任だと反省できたはずです。これは個人ベースでは解決しにくい問題ではあるので、今後管理業務に関わっていく中で改善するポイントとして書き留めておこうと思いました。

 

 

また、作業において不良品の発生は致し方ない部分でもあります。本人のセットミス、部品の不具合、機械の不具合など不良の原因はたくさんあります。ひとつひとつを見ていても見逃すこともあります。不良発生を防ぐのは難しいのですが、より重要なのは不良を流出させないこと。

 

これは実家で仕事をしてた時もそうですが、不良が出たら廃棄して新しく作り直せば済むのですが、流出に至ってはその会社のシステムの問題になってきます。

 

製造工程の問題、検品の問題、教育の問題、機械に関する問題。さまざまな部分の不具合を指摘されます。たった1個の不良で、膨大な数の報告書を書かされます。なぜ発生したのか、なぜ流出したのか、なぜ、なぜ、なぜ・・・。

 

問題は何か?エビデンスは?対策は?いつから実行するのか?対策前と対策後の写真を添付してメールを送れなどなど。自分も嫌というほどやってきました。これらの面倒な仕事を上司がやると思うと申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 

だからこそ僕らが気をつけないといけないのは「決められたルール」をしっかりと守るということ。作業ルールだけでなく、ホウレンソウをしっかりすること。これだけ。

 

大体の場合、ちょっとした判断ミス「ミスったけど内緒にしておこう」「バレなきゃなんとかなるかも」と何かあったことを何もなかったことのようにすると大体何かあります。

 

だから僕は何か問題があった場合は「うわー、すげー言いたくない。」「黙ってやり過ごしたい・・」と思いつつも事が大きくなる前に必ず上長に伝えるようにしています。

 

当たり前のことなんですけどね。

 

 

ただ今回の不良については見つけることがとても難しく、検品等でも見つかる確率は低かったです。しかし出てしまったものは仕方がないので、今後は決められたことをきちんとこなせるようやっていきたいです。

 

 

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