絶対必要!・・・な作業では無いので「工具が無い」、「やる自信がない」ならあえてやらない方がいい。
この前購入したステンレスモデルのオピネルナイフNo.08ですが、特に現状で不満は無いものの「何かしら手を加えたい」という欲求があるので膨張対策を行なってみました。
オピネルの膨張対策とはナイフと柄のつなぎ目部分の対策のことで、木製であるオピネルのハンドルは水分を吸った場合に木が膨張して刃を出し入れしにくくなるという現象が発生します。
よく炭素鋼(カーボン)モデルのオピネルでは刃が錆びてしまわないよう黒サビ加工をするユーザーも多くいますが、その際に一緒にこの膨張対策を行う人が多いです。
要は刃の入る隙間を削って少し広くすることで、木が膨張した場合でも刃の出し入れがキツくならないようにするというものです。
作業開始
まずは安全リングの取り外しです。刃を閉じてロックがかかっている状態で刃を無理やり引き出すことでリングを抜くことも可能です。(勢いよくリングが飛ぶので注意)
前回はそのようにやりましたが、今回はリングの隙間に金属板を入れて回して広げる方法を用いました。コレだとリングを不用意に吹っ飛ばす必要が無いので失くす心配もありません。
リングが外れた後は柄とナイフを繋いでいる「ピン」を抜きます。
この裏側から細い金属の棒(精密ドライバーを使いました)を当ててハンマーで叩いてあげることで抜くことができます。
こんな感じです。が、ここから先がなかなか抜けずに苦労しました。
YouTubeなどを見ていると「叩いてあげれば簡単に抜ける」なんて言う人もいますが、引っかかっているようでなかなか抜けない。
どうやらこの柄を覆っている金属板が変形して穴位置が微妙にずれている感じです。
そのため内部の摩擦抵抗が大きくピンが抜けない原因になっていそうです。
まず1本目。精密ドライバーがお亡くなりになりました。
2本目で別の精密ドライバーを突っ込んでガンガン叩く。
なんかやばそうな感じがするけど、ここまで来たのだからやるしかない・・・。
はい!割れましたー(悲)
この部分はオピネルナイフを扱う上で一番力がかかる場所です。
そんな部分を破壊してしまうなんて悲しすぎます。(自分が悪い)
とりあえず最初に木工ボンドでくっつけてみましたが「水分を含んだら簡単に剥がれてしまうのではないか?」と思い別の方法に切り替えました。
それは「エポキシ」を使って補修すると言うこと。
以前に釣竿を作った際に余ってたエポキシを使って補修します。
なんとなく思いつきでエポキシを使いましたが、下のサイトを見てみると適材適所であったことを今になって知りました(笑)
・いろいろな被着体に対して接着力が優れている。
・揮発性物質がほとんど出ないので硬化収縮率が小さい。(寸法安定性が高い)
・耐熱、耐水、耐薬品、耐候性が優れている。
後はこのまましっかりと硬化させます。
柄の部分はまだ加工できないのでナイフのピンの通る部分をダイヤモンドヤスリで整えておきました。
エポキシが硬化したのち、この隙間部分をやすりを使って広げていきます。
ヒビが入ってしまい貧弱に見えますが、エポキシがしっかりと硬化しているため横方向に力をかけてもびくともしないくらいになりました。
削った部分は塗料も剥がれている状態なので、ここにアマニ油を数的垂らしてコーティングしました。(ちなみにオリーブオイルは乾かない(不乾性油)のでアマニ油やクルミオイルなどの乾性油が良い)
後は部品を外した順番とは逆の順番で組み立て行けば完成です。
しかしここで問題発生。この部品が歪んでしまいピンが最後まで通りません。
しかも無理矢理ピンを通したら今度はロック用のリングがキツキツで回すのが辛い。
そのため何度も組んでは外しを繰り返し、このパーツを叩いて修正、ペンチなどで挟んで修正を繰り返してバランスを整えました。
今までもオピネルを何度かバラしたことはあるけれど、今回はめっちゃ大変だったな。
途中諦めて新しいオピネル買っちゃった方が早いって何度も思ったもん。
と言うことで途中挫折しそうになるも何とか加工をして組み上げることができました。1000円でお安く手に入れたナイフにそれなりの時間と手間をかけてしまいました。
こういったことは面倒でもありますが、それがモノへの愛着につながるのも確かです。手がかかるほど可愛く思えてしまいます。
工具がある程度あったこと、補修用にエポキシがあったことが幸いでした。
それなので思いつきだけで加工をすると、場合によっては「ただ破壊して終わる」と言うことも十分にありえるので覚悟を持って挑んでください(笑)