その人のノートにその人の物語が溢れ出てくる。だからノートに興味を持ってしまう。

この前美術館で見てきた「山下麻衣+小林直人:ノートとノートの中」。

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なぜこんなにもノートというものに惹かれてしまうのだろう。雑誌などでも手帳特集とかやっているとつい手に取って見てしまうし買ってしまう。それなのに買ってパラパラと見たあとはほとんど読まないということもしばしば・・・。

たくさんのノートや手帳術が紹介されていてもひとつも興味が沸かない場合もあるし、雑誌の隅にうつった小さな写真にすごく引き込まれることもあります。

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これ僕のノートに貼られている切り抜きです。一冊のシステム手帳がちょこっと載っているだけですがすごく興味がわきます。それはたった一本の黒ペンで書かれていて、ゴチャゴチャと書かれてたり一言かかれているだけだったり、ここからここまでっていう矢印がひかれているだけなのですが、そこにはこの人の仕事感だとか生活というのが書き表せられているからでしょうか。

効率的に書かれていない、読みにくい、色分けされてないから何がなんだかわからない。

でもこれを使う人にとってはこれが使いやすくわかりやすい書き方なんだと思います。こういう部分ってその人をあらわすアーティスティックな部分のように思うようになりました。もちろん意図して書いているわけではないでしょうが、その人から溢れるアーティスト性がそれを創り出しているのではないか。

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もうひとつの切り抜きは手帳の中を撮ったものですが・・・色分けされているけどめっちゃぐちゃぐちゃで本人すら理解できるのかどうか怪しい手帳です。一見何がどこにどのように書かれているかわからないですが、自分のルールでわかるように書かれているのでしょう。

これはこれでその人が生きた時間を現すアートなんじゃないかって感じるんですよね。

この週、この月、この人はこのスケジュール帳をもとに活動し、書き込まれ消されて出来上がったひとつの作品なのだと思います。

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僕はその時々でノートや手帳に何か書いたりもしますが・・・意図的だったりします。(笑)

なんとなく表紙が寂しいからって絵などを描いてみたりしますがゼロから書くのは苦手なので何かをマネして描きます。これから使うノートや手帳に「こんな生活を送りたい」とイメージをしながら絵を描くのは楽しいのですが、失敗した場合などはそれを使うのも嫌になったりするのが困ったところです。

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以前にトラベラーズノートを使っていた時は番号をふってノートに何かしら絵を描いて使ってました。絵を描かない時はシールを貼ったりして。薄いノートだしメモとして使うことがほとんどなのでボロボロになるまえにすぐに新しいノートになってしまい、そこから溢れる生活感・アーティスティックな雰囲気は全く出てきませんね。

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何か物を作る時のアイデア帳&図面として使っているこのA4ノートは頻繁に開き、書き込み、持ち歩くので良い感じにヤレてきた感があります。背表紙も切れてしまったのでガムテープで補修し、黒かった表紙はかすれて下の赤が出てきました。油汚れの手で触るのでページも汚れるし、金属の削りカスなどがページの隙間に入り込んだりしてます。

他人から見れば汚いノートかもしれませんが、数年使いこんだこのノートは僕の思考を映し出したスクリーンのようなもので、さらにそこからアイデアが広がり実体化するためのベースになったノートです。

そういうものは特別なものではなく、ふだん使っている手帳やノートがそういった一部なんだと思います。だから僕は人のノートが気になるしそれがパッと見た感じ「何が書いてあるかわからない!」ほど興味をそそられます。逆に言えばすごく整理されたキレイなノートにはあまり関心がありません。僕自身、ノートをキレイに書くのが苦手なのでそれに反発する気持ちのあらわれかもしれないですけどね(笑)

手帳やノートを汚く使いましょう!本能のおもむくままに書き込みましょう☆