スタイルを持ったモノと暮らす
最近はあまり雑誌の類を買わなくなって、昔買ったものを読み返すことが多いです。このFree&Easyは2012年6月発行のものなんだけど、このシステム手帳の表紙と「スタイルを持った"静物"と暮らしたい」という見出しが気に入ってて捨てずに保管してます。
雑誌はその時その時代の情報を発信するものだから時間とともに価値はなくなっちゃうものなのかもしれないけど、自分の中にグサッとくるテーマのものは手放せないよね。
開高健さんの「生物としての静物」がとりあげられてて、それに重ねるように「男の人生をサポートする静物たち」としてその人たちに関わりあるモノの紹介がされています。
アウトドア系やバイクなども取り上げられていますが、とくに手帳関連のステーショナリーの写真に目がイッて…目が行ってしまいます☆
そうそう、この雑誌をキッカケに開高健さんの「生物としての静物」の本も買ったんです。まだ読み切ってないんですけどね。
よくビジネス誌や女性誌などで手帳特集が組まれるといかにも「高級システムバインダー手帳でバリバリ仕事やってます!」とか、「手帳は彩りを大切にして、多色ペンで色分けして、シール貼って可愛く仕上げてます♪」など目白押しなのです。
もちろんそういうのも含めて手帳関連のものは好きです。
しかしここに取り上げられているモノたちは見た目こそボロボロだけどその人の人生を共に歩んできた道具であり相棒のような佇まいです。
それが最高にカッコいい。
自分もそんな風に長く付き合っていきたいなと思うわけです♪
このシステム手帳も30年使い続けているようで、縫い目はほつれ、革は折れ、他人から見たら「いい加減買い換えたら?」とも思えるかもしれません。
自分がほぼ日手帳からシステム手帳に乗り換えてみたのもこれを見てからで、毎年買い換える手帳(カバーも含む)よりも、システムバインダーは同じで、中身の必要な部分は継続しつつリフィルだけ入れ替えて長く使っていきたいと思ったからです。
「毎日生活をともにしてしばらく経つと、少しの時間も手放したくなくなるモノがある。毎日の行動や、閃き、しくじり、成功、自戒、秘密、そういったことがぎっしり詰まったシステム手帳のような存在だ。何年か先にはこのシステム手帳もリングがいかれ…新しいリフィルを歓迎しない老体に落ちぶれていくことだろう。その時がやってくるまで一緒に暮らしてやる、というつもりでモノと付き合うと、やがてそのモノのなかに自分の人生が見えてくる。」 本書より引用
かっこいいなぁ。
最近は「手軽で便利で高性能」なモノに溢れ、修理して使うのではなく数年したら買い換えるのが普通になってます。
車であってもおおよその寿命というのは決まっていて、数年ないし数万キロも走ればプラスチックやゴムパーツが劣化して壊れ、そこを丸ごと交換するか別な車に買い換えるのが普通になってきてますね。
好きなモノを大事に大事に使って、「これとはもう数十年の付き合いだなぁ。道具?違うよ、相棒さ。」だなんて言えるダンディな男に私はなりたい。